2005年前後から貴金属買取の店舗が激増
2011-2012年をピークに落ち着きつつありますが、商店街での貴金属買取やブランド品買取専門店の開店ラッシュはスゴイ物がありました。私の店舗がある藤沢駅周辺もここ5年で 認識しているだけでも5店舗以上は増えました。美容院や病院、鍼灸院等に匹敵する増加率です。
みなさんご存じですか?
実は日本では20年前ぐらいまでは貴金属買取専門店はほとんど存在していませんでした。
金の売買が日常的なインドや中東、東南アジア等と違い純金インゴットや装飾品のゴールドジュエリーをお金代わりに保持しておいて必要な時に換金するという習慣がなかった日本では 金の買取をしてくれる所、特にK18の指輪等の金プラチナのジュエリーを買い取るところなどというと質屋さんか、当店のような買取も対応している宝石店ぐらいしかありませんでした。
横の繋がりが強い組合に入っている質屋さんは基本的に抜け駆けとなる折込広告等の宣伝活動はできず、宝石店も販売商品との下取り交換はしても現金買取する店舗は少数派で買取に関しては 積極的に宣伝するところは少なかったです。(その理由は後日コラムで触れたいと思います。)
なので一般の人、特に主婦が使わなくなったり壊れてしまった自分の金やプラチナジュエリーが換金価値が高い物であることや買取してもらえるということを知っている人はいませんでした。
私もまだ20代の駆け出しの頃、父の会社でたまに買取を受けてましたが当時は、今と比べれば、金はほんとに安かったのでK18が1グラム600円とか500円とかで買い取っていた記憶があります。
この時期は平和なものでした。
それが風向きがかわってくる要因が10年程前から2つほどありました。
「金,プラチナ,ブランド品買取専門店乱立の理由」
ポイント1 貴金属価格がここ10年で史上最高値レベルまで上昇したこと
ここ5-6年でやたらと目立つようになった、金プラチナ等の貴金属やブランドバックや時計、その他を買取する専門店。
乱立した原因は色々要因がありますが、大きな理由としては2つあげれます。
まず金、プラチナの価格の高騰にあります。 金は1980年1月に1g=6,495円(この価格はアフガン侵攻にともなうパニック的な高騰で1日のみでした。)の最高値をつけたあとは、1999年に836円の安値をつけるまでは、一貫して下落トレンドが続いていました。 なので、私が就職した1990年代は金は1000円前後で推移するのが当たり前の感覚でした。金が最高値記録した1980年はまだ小学生でしたし(汗
それが、2002年後半から上昇トレンドを描くようになってきました。丁度今の藤沢店を開店したのがその頃だったので、金がどんどん上がって商品を 仕入ずらい、はやく下がってくれとずーっと思ってのが懐かしいです(笑)
多少の上下を繰り返しながら,あれよあれよと上がって行き、2005年後半には2000円を超えました。丁度このぐらいでしたでしょうか、金、プラチナ買取りとブランド品の買取りをメインとした買取専門店が徐々に増え始めたのは。
そして2007年後半に純金1キロインゴットのグラム単価が3,000円を突破すると、メディアにも盛んに取り上げられるようになり、異業種から次々と参入してきて 独立組も含め買取専門店は加速的に増えてきました。
ポイント2 低コスト低リスクで楽に参入できる優れたビジネスモデル
次の要因としてその優れたビジネスモデルにあります。
初期投資が多くて在庫を抱えないといけない通常の小売店や競争が激しく粗利が高くてもランニングコストが高い飲食業等などに比べて、買取ったブランドや貴金属はすぐ貴金属ならネットジャパン等の宝飾総合商社、ブランドもブランド専門で買取る一次受け業者に売ってすぐ換金できて在庫を抱えるリスクがなく、内装等の設備投資も最小限にすみ、極端な話、場所と机と計量器とルーペさえあればスタッフ1人でも始められるからです。
だめだったらすぐ辞められるのもリスクが低くて魅力でしょう。実際内装には全然お金かけてなくノボリだけ数本店頭に置いて看板もなく事務所みたいな感じの買取専門店が多いのはそれが理由です。その優れたビジネスモデルを発見した某大手コンサルタント会社が積極的にそれを薦めたので異業種から大量参入になったのです。
他にも色々要因はあると思いますが、この2つが大きな理由だと私は考えています。
(last update 2013/09/23)