ルビー買取相場

ルビーと言ったら誕生石?指輪でしょうか?紅蓮の炎を思わせるルビーの輝きは、古来から神秘と伝説、そして希少価値に満ちた宝石として愛でられてきました。ここでは皆さんそれぞれのルビーの指輪の物語に耳を傾けながら、宝石としての特徴、価値を検証。指輪等の宝飾品を愛でる為の品質基準も解説していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

希少価値が高いルビーとサファイアは同じコランダム属!

「そうね、誕生石ならルビーなの……」、そんなフレーズがグルグル回る。そう今回のコラムは宝石の女王様ルビーを特集です。ありふれた美石、赤い宝石の代名詞であるルビー、その宝石としての特徴から、ジュエリーボックスに眠るルビーの指輪の相場価格、希少価値も検証。お手持ちのルビーを手に取り、どんな品質が評価され値段に反映されるのかを一緒に学んでいきましょう。

ルビーの特徴

ルビーは酸化アルミニウムの結晶であり、皆さんもご存知のサファイアという宝石と同じコランダムに属する宝石です。コランダムは三方晶系と呼ばれる結晶系で、ダイヤモンドに次ぐ硬度9を誇る非常に硬い宝石として知られます。

コランダムは色相環を構成するカラーのほぼ全てをカバーする色の宝石が産出され、赤いものをルビー、青いものをサファイアと定義。その他の色は〇〇(〇〇にはカラーが入ります。)サファイアと命名されます。例えばオレンジサファイア、グリーンサファイアのように。

不純物が入らないホワイトサファイアを基準とすると、異なる遷移元素が不純物として混入することで様々な色合いを見せるようになります。アルミニウム原子の代わりにクロムが一定割合以上入るとルビー、クロムが若干少ないとピンクサファイア判定になり、サファイア(ブルー)は鉄とチタン原子が存在することで青くなるということですね!

ルビーと一言でいっても産出場所、人為処理などによって、スター効果を見せるもの、バイカラーのものなど希少価値に影響を及ぼす品質のものがピンキリで存在しているのも面白いですね。指輪などへ好んで加工される理由は、ルビーの美の多様さにあるのかもしれませんね。

産出場所

宝石品質として相場価格が安定しているルビーは、主にミャンマー、スリランカ、モザンビーク、タイ、ベトナムにギニアなど様々な鉱山で採掘されていますが、タイの鉱山は既に枯渇してしまいました。決して希少価値が凄まじいレア宝石ではありませんが、産出する場所によって原石、ルースに指輪等のジュエリー価格は大きく異なります。

特に相場価格が高く美しいと評価されているものは、ミャンマーはモゴック産ルビー。眼を見張る濃厚な赤を見せるモゴック産ルビーは宝石の女王として君臨し、最高品質のものはピジョンブラッドと呼ばれています。なおミャンマー産のルビーは紫外線を照射すると非常に強い赤~ピンク色の蛍光性を示します。クラブやちょっとした暗所でルビーの指輪などを身に着けると、それは神秘的な指輪からの蛍光性を楽しめるはずですよ。ぜひトライしてみてくださいね。

世界三大宝石ルビーの伝説と王室にまつわるお話し

7月の誕生石ルビー、わかる人にはわかるルビーの指輪という歌でもその名を馳せています。さて、ジュエリー加工に映え、相場価格も高く審美性も高いルビーですが、ここではその希少価値はさておき宝石が持ついくつかの面白いエピソードを紹介していきます。

英国黒太子クラウンの謎

もはやルビーの伝説と言ったら、英国王室のロイヤルコレクションなしには語れませんが、戴冠式に使われたエリザベス2世の王冠をご存知でしょうか?そこにはカラットこそ不明であるものの、元来ルビーと伝われた非常に魅惑的な宝石がクラウンにセットされています。人はその宝石を黒太子のルビーと呼んできました。

現在もロンドン塔で、クラウンが歩んだ悠久の歴史とまったりした赤い光を放つルビーに多くの人々が魅了されています。しかしながらこの王冠にセットされた宝石はルビーではなくバラスルビーであり、つまるところスピネルだった事実は美術史的観点から見ても興味深いところ。

黒太子と呼ばれたエドワード3世がカスティーリャ王国のペドロ1世を助けたことから、このルビーが譲られ、幾多もの戦の中で所持する者の命を助けたという伝説を残しています。血生臭い歴史と美しい宝石は運命共同体ですが、ルビーと思ったら実はレッドスピネル……。宝石としての美しさは勿論素晴らしいのですが、ルビーと比べると控えめな値段という希少価値を考えると、いやはや残念な結果に見えてしまいますね。

ただしルージュの伝言を思わせる美しいパッションレッドは、それが歩んだ歴史的背景が相場価格に上乗せされ、宝石としてのレッドスピネルでは想定できない時価1億を超える希少価値があるそうです。

なお18世紀までルビーとその他赤色宝石の鑑別が難しく、それ以前は赤色宝石としてルビーとガーネットのカーバンクルに分けられましたが、スピネルとルビーはその見た目の色合いから混同されてしまったそうです。

ルビーに伝わる不思議な伝承

ルビーは紫外線に当てると発する蛍光性がゆえ、古くは燃える石炭と呼ばれ、非常に希少価値が高い宝石でした。中世の時代、ダイヤモンドの研磨技術が発展していない当時、宝石としての値段が一番高い希少価値、相場価格があるものがルビーだったそうです。しばし聖職者も山高の指輪にルビーをセットし、神へ祈りを捧げていました。

旧約聖書にも言及される古い歴史があるルビーですが、宝石としての相場価格、指輪やネックレスなどの宝飾品加工とはまた異なるお話として、精神面に寄与したまじない、俗信が多く存在しています。

ルビーの場合それを煎じて飲むとコレラを治癒し精神の不安を除去する。またルビーの指輪を身に着けると雷による災難を防ぐことができるとも伝わります。

またルビーの指輪を身に着け旅に出ていたものが、ルビーの色の退色、変色から妻の死期を予測することができたなどの伝承もありますが、どれもこれも正直なところ人から人へ伝わり、それが誇張されていったと思われるので信ぴょう性はありません。あくまでルビーの希少価値を高める為の一種のプラセボ効果なのかもしれませんね。

ルビーの相場価格、希少価値と品質を図る指標は?

さあ、ここからが本番ですよ。美しいルビーの指輪にシャープな原石、ルース、ピンキリのルビーの値段が決まる品質要素を検証していきます。

ルビーの透明度と色

カラー宝石の中で一番その相場価格、希少価値という値段が上がっているのが何を隠そうルビーです。どんな指輪、ピアスなどに加工されても、ハートを撃ち抜かれるそんなカラーのルビーは身に着ける者に品を与えるだけでなく、見る者すら魅了する力があります。

ルビーの希少価値、値段を決める品質要素としてまず考慮すべきはそのカラー。色が暗すぎるのはNG、逆に明るいとピンクサファイア判定になってしまうので、鮮やかな赤~赤紫色のルビーが希少価値の面で一歩も二歩もリード。

燃える石炭をそのまま閉じ込めたようなピジョンブラッドは、相場価格が高いことは前述の通り。なおルビーはエメラルドのようなハードなインクルージョンはありませんが、過多の内包物がある場合は透明度や耐久性に悪影響を及ぼします。

なおルビーには鋭い針のようなルチルインクルージョンがあり、それらをシルクと呼んでいます。インクルージョンの存在は加熱処理の是非を確かめる手段にもなるので、ルースや指輪などにセットされた宝石の値段、品質、希少価値を調べる際に有効です。

スタールビーの希少価値

なお皆さんも聞いたことがあるスタールビーについてですが、これは前述のルチルインクルージョンが多量に含有する際に6条の星がクッキリ現れるアステリズム効果をもたらすルビーのことです。基本透明度が低く内包物を多く含む原石を、スター効果が上手く出るようにカボション状に研磨することで、美しいスタールビーが誕生します。

好き嫌いはありますが、一つとして同じスターは存在せず個性あるぷっくり感が人気です。指輪やネックレスなどにも加工しやすいですが、中には値段が非常に安い、希少価値のない粗悪品も少なくありません。

スタールビーはスターの濃度、バランスを考慮し、なるべく赤味が強いものが希少価値、相場価格を高くするポイントになるので覚えておきましょう。

ルビーの人為処理

ルビーにもその美しさを底上げする為の人為処理が行われており、主に加熱、含浸処理が行われています。軽、中、重度の3段階に分かれる加熱処理では、くすみをなくし、インクルージョンを目立たなくすることが可能です。宝石としての市場性、指輪などの宝飾品加工を念頭に置いたルビーの加熱処理ですが、非加熱の宝石はあまり出回らず、ノーヒートの石は自ずとその希少価値、相場価格が高くなります。

また加熱処理がお化粧でいうファンデーションであるとするならば、二重切開、高鼻術などの整形手術はしばし含浸処理に形容されます。鉛ガラスを利用した比較的新しい人為処理ですが、エメラルドのように傷やクラックを隠す為に施される訳です。

ただし加熱以上にその値段、相場価格に悪影響を及ぼすことは明白で、大粒カラットの美しいルビーを手にすることはできても、もともとのルビーよりも重いガラスが充填され逆に耐久力が下がることも分かっています。

アクセサリー品質のモザンビーク産などはこれらの人為処理がハードに行われることが少なくなく、知らず知らずにルビーの指輪に加工され私達の身近にも流通しているのです。

模造石と合成石の存在

ルビーを含むコランダムは宝石学で大変重要になる合成ルビーの存在を無視して語ることはできません。ベルヌーイ法、フラックス法に水熱法など、それらの合成ルビーの軌跡を辿ると、いかに苦難の末に合成宝石市場が発達したのかがわかります。

希少価値は勿論天然に及ばないものの、美しいインクルージョンを模したカラー基準が相当高い合成ルビーなどは、トラベルジュエリーとして指輪などに加工され人気です。勿論フラックス法などで合成のスタールビーを製造することも可能です。

またテーブル部分がガーネット、下部が合成サファイアなどの張り合わせ石、つまりはダブレット石も多くなりました。特に合成スピネルやガラスが多用されますが、ガードル部分の接着部をよくルーペで観察すると識別可能です。

なおダブレットの値段、相場価格は希少価値などありませんが、マニア心をくすぐるアイテムとして蒐集家に愛される点は興味深いですね。

ルビー相場価格、買取相場はどれくらい?

ルビーの希少価値と値段、気になりますね!いつもの指輪にとっておきのブランドジュエリー、そのルビーの値段はどれ位になるのか?原石とルース、指輪などのジュエリーでその値段、相場価格は異なりますが、1カラット当たり10$~12000$とかなり幅があります。

これらは前述のようにカラー、クラリティーを軸にカット、カラットを考慮に値段が決定されますが、特にミャンマー産のルビーはその希少度からも一番相場価格、値段が高まります。

どの宝石でも同様ですが、品質は各々の宝石の評価要素によって違いますが、ルビーの場合概算として1カラット以下で300~400$、1カラットで450~650$程度が平均的な値段、相場価格と言われています。ただしこれらはルースの値段なので、お手持ちの指輪やネックレスなどジュエリー加工されている場合は、タイミングに合わせた地銀の値段、相場価格、他の宝石の評価に合わせて最終相場価格が決定されます。

ルビーは当然の如くカラットが上がるごとにその値段、相場価格も上がりますが、1カラット越えでピジョンのように燃えるような炎を覗かせる上質な宝石は非常に希少価値が高まります。ただしピジョン判定は鑑別機関でもムラがあり、産地やカラーにプラスして研磨技術、加熱の程度などを多角的に判断され値段、相場価格が決定されます。

なおルビーはその結晶構造がゆえに見る角度を変えるとチラチラ二色の異なる色合いを見せる多色性があり、カットをする際に上手く多色が出ないようにカットします。その為多色が見えない、ほとんど見えなくカットされた宝石は指輪等に加工される上での審美性を高めるのと同時に、その値段、希少価値も高くなります。

まとめ

今回はルビーの特徴、その品質基準に気になる値段、希少価値を解説していきました。ルビーはレアな宝石ではありませんが、そのカラー、クラリティーが高いものは驚く程少なく、なおかつ非加熱のルビーは値段が高騰し相場価格も高くなっています。

まとめると、1カラットを超えると、希少価値、値段が高くなること、不純物が少なく鮮やかなビビットカラーのノーヒートルビーが宝石の女王としてあるべき理想の姿。現在オークションでも高価な相場価格で取引されていますが、2015年には38億を超える、非常に希少価値ある25.59カラットの大粒ルビーが落札されました。

なかなか夢見がちなカラット、値段ですが、ぜひ今回のコラムを参考にお手持ちのルビーの指輪やネックレス、ピアスをじっくり観察してみてくださいね。きっと色々な発見があることでしょう。