日本人はジュエリーを見る目が肥えていて、様々なハイブランドのジュエリーに心を奪われがちです。それぞれのブランドが歩んだ歴史、得意とするスタイルは異なりますが、フランスのパリにはグランサンクと呼ばれる、超有名老舗ジュエラーの組合があります。

ジュエリー通にはおなじみですが、意外に知られていないことも多いグランサンクの真実、今回はそんなジュエリー業界の巨匠たちに迫ってみたいと思います。

グランサンクってなに?

グランサンク、日本語に訳すると「偉大な5」。頭の中は???ですが、つまるところパリ発の偉大な5大宝飾メーカーのことを指します。

ここではそんな謎めくグランサンクについて解説していきたいと思うので、ジュエリーを愛してやまない方はぜひ最後までお読みください!

パリのヴァンドーム広場にある5大名門ジュエラー=グランサンク

パリにはヴァンドーム広場と呼ばれる、それは高貴でポッシュなお広場があります。日本にもヴァンドーム青山という宝飾ブランドがありますが、これは勿論ヴァンドーム広場が由来!(だと思います。)

無理やり例えるならば、日本一地価の高い銀座のような場所で、それはゴージャスでラグジュアリーなブランドの本店が軒を連ねるパリ一、気軽に迷い込めない広場であります。

さて今回の主題になるグランサンクは、ここヴァンドーム広場に点在する高級ジュエリーブランドの中でも、特に歴史と伝統に裏付けされたブランドでフランス高級宝飾店協会
に加盟するブランドのことです。

ここでグランサンクに加盟するブランドを紹介すると、メレリオ・ディ・メレー、ショーメ、モーブッサン、ブシュロン、ヴァンクリーフ&アーペルの5ブランドのことを言います。

えっ、モーブッサンとか知らんし!むしろティファニーにブルガリはグランサンクではないの?と思う方もいると思いますが、あくまでフランスにおける高級ブランドなので、フランス国外のブランドはグランサンクに加入することはできません!

以前はカルティエもグランサンクの一員だった

グランサンクに認定されたブランドを見ると、あぁ、このブランドはもはや言うことがない位有名よね……と思しきブランドから、えっと、このブランド知らないんだけど、という方もいると思います。

基本的に伝統、人気、ラグジュアリーが認定の基準になっていますが、パリのブランドでもカルティエが入っていないことにビックリ!という方もいると思います。

1847年創業、ミステリークロック、アールデコスタイルの非の打ちどころのないオリジナリティー高い宝飾品を作ってきた事実からも、グランサンクに加入するには十分な要素を持っていたはず。

過去の歴史を手繰り寄せると、実際カルティエはフランス高級宝飾協会に加盟していた時期があるようです。しかしカルティエは、他社のライバルブランドと肩を並べて協会に加盟するのに嫌気がさしたのかわかりませんが、すぐに退会していた事実があるのです。

グランサンクの呼び名はもう古いって本当?

実はグランサンクに任命されているブランドも、創業者一族による経営が継続しているブランドが少なくなり、他の経営媒体が絡んでいるブランドがあるため、そもそもフランス宝飾店協会が活動停止状態で、フランス国内ではグランサンクという言葉自体が死後になっています。

日本では高級、伝統という括りで差別化するために、いまだにグランサンクという言葉をつかっていますが、フランスで「グランサンクが~」とジュエリーの小話をしても、当のフランス人はなんのことか分からなかった、なんていうお話もよく耳にする事実なんです。

因みに世界5大ジュエリーはココ!

何でもかんでも優劣をつけることは関心しませんが、実はフランスパリにおける5大ブランドの他にも、世界5大ジュエリーブランドというものがあります。

大小様々なジュエラーが世界に存在していますが、世界5大ジュエラーをここでご紹介していきましょう!

アメリカ勢はやっぱりあのブランドか!のティファニー、ハリー・ウィンストン、イタリアのブルガリ、そしてフランスからはヴァンクリーフ&アーペルとカルティエ。グランサンクから漏れたフランス国外ブランド、元グランサンクメンバーに現グランサンクのヴァンクリーフ&アーペルという顔ぶれの豪華さ。

それにしても、安定した人気を誇るのは、やっぱりヴァンクリーフ&アーペルでしたね!

高級宝飾サロンの代名詞!グランサンク各社のブランド特徴まとめ

ここでは知っているようで分からない、そんなグランサンクを構成するブランドの特徴について軽くご紹介していきたいので、ぜひお次の嫁入りジュエリーをお探しの方は参考にしてみてくださいね!

メレリオ・ディ・メレー

メレリオ・ディ・メレー、なかなか頭に入ってこないブランド名。このイタリア起源のブランドの歴史は深く、それこそ現存するブランドの中では最古かもしれません。王室御用達なのは言うまでもありませんが、その創業年は1613年。

その顧客はマリー・アントワネットにナポレオン三世妃ウージェニーなど、それは華々しい功績を残し、21世紀平成の世が終わろうとする現在も創業者一族による運営されています。

初代から数えて既に15代、メレリオ・ディ・メレーのジュエリーは、日本にも上陸しており、国内の知名度は低くとも、その歴史の長さに裏付けされたスタイルにファンは多いと言われています。

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モーブッサン

モーブッサン、グランサンクの中でもいまいち存在感が薄いブランドかもしれません。しかし創業年数は古く、1827年にまで遡ります。

特に色石を使ったジュエリーに定評があり、他社と比べてもお財布に優しい点は大きな相違点と言えるでしょう。アールデコ様式のデザインが好き嫌いの分かれるところではありますが、ダイヤモンド一辺倒にならないスタイルは、色石人気が高い昨今再注目を集めています。

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ブシュロン

日本でも人気の高い宝飾ブランドブシュロン、こちらは1858年に設立されたブランドです。このメーカーの特徴として、様々な名工を集めブシュロンの作品を作らせたことにあります。

フォントネイ、ティソットなどがブシュロンの職人としてジュエリーを作り、1930年にはイラン皇室から宝石の鑑定依頼を受け、黄金の玉座や51336個の宝石をセットした地球儀などを鑑定し、現在もイラン王室の財産の管理を承っています。

現在は創業者一族から離れて営業を続けており、2013年からフランスのケリンググループ傘下としてモダンジュエリーを制作中です。

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ヴァンクリーフ&アーペル

若い女性に大人気ヴァンクリーフ&アーペル。1906年創業と他社に比べてグンと若いブランドですが、ミステリーセッティングと呼ばれる金属の爪を見せずに宝石をセットする技術は宝飾史の中でも燦然たる歴史を刻みました。

妖精、バレリーナなどヴァンクリーフ&アーペルの代名詞となっているピースは、非常に人気の高いモチーフで、ヴィンテージピースなどは各オークション会社で大目玉になるほど。

比較的カジュアルに使いこなせるラインから、最高級の貴石を使ったラインまで、20代からそれこそ王族の特注品まで、幅広い層に創業当時から変わらないジュエリーを作っているブランドと言えます。

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ショーメ

2018年に三菱一号館美術館で開催されたショーメ展は大成功をおさめ、眼福のひと時を過ごしたという方もいると思います。

こちらのブランドはフランス王室と関連の深いブランドと知られ、マリー・エティエンヌ・ニトーが1780年に宝石店を創業したのが始まりです。ニト商会時代からナポレオン1世ご用達ブランドになりますが、経営者が何度も変わりショーメの名前がブランド名になったのは1889年の事です。

現在は創業者一族の手から離れ、LVMHグループ傘下で営業していますが、脈々と受け継がれた優雅さとオリジナリティーの高いジュエリーは、日本人にも愛されるスタイルといえるでしょう。

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まとめ

ジュエリーは高ければいいというものではありませんが、脈々と受け継がれる伝統と技術、そんな血脈は途切れることなく私たちの物欲を刺激します。ショーメ、ブシュロンにヴァンクリーフ&アーペル当たりはそれこそ日本でも知名度がありますが、モーブッサン、メレリオ・ディ・メレーなどは今回初めて知ったという方もいることでしょう。

似て非なるグランサンクメンバーの紡ぐジュエリー、一度それぞれのWEBを訪れそれらの魅力に特色をその目で見て、フランス高級宝飾組合と呼ばれるその理由をぜひ実感してみてください。