女性憧れのダイヤモンド!人工ダイヤと天然ダイヤの垣根が低くなっている昨今、あのデビアス社が人工ダイヤモンド専門ブランドLightboxを立ち上げた!というビッグニュースが舞い込んできました。
今回はデビアスが本気を出したらこんな人工ダイヤモンドができました!というテーマで、合成ダイヤモンドの魅力についてお話ししたいと思います。
天然ダイヤモンドの供給元デビアスが人工ダイヤモンドを販売!
泣く子も黙るダイヤモンドの総合商社(?)デビアス。1876年に南アフリカで創業して以来、ダイヤモンドの供給コントロールと価格統制を図ってきました。そんな天然ダイヤの雄デビアス社が、何をどう思ったのか?2018年5月に、いわゆる合成ダイヤモンドを専門にするブランド立ち上げを発表しました。
100年以上に渡り、ハイクラスの天然ダイヤモンドを抱えてきたデビアス社が真剣にラボで合成した人工ダイヤモンド、まずはここでデビアス社の人口ダイヤモンドを徹底解剖してみたいと思います。
参考画像 https://www.pinterest.jp/pin/77335318587156533/
合成ダイヤモンド専門ブランドLightBoxとは?
デビアス社が発表した合成ダイヤモンドブランドはLightBoxと呼ばれ、あえて本物のダイヤモンドとして販売されています。本物と言えば語弊がありますが、天然と合成の区別こそあるものの、化学的な組成は全く同様である側面を評価し、デビアス社が合成ダイヤモンドも本物のダイヤと広義で認めたといってもいいでしょう。
つまりガラス、プラスチックなどの模造石ではなく、化学組成が全く違うキュービックジルコニアやモアッサナイトなどの人造石でもなく、正真正銘結晶構造に物理特性が同じなのがLightBoxの合成ダイヤモンドです。
天然と合成の優越に関しては、どこに焦点を置くのかによっても異なりますが、LightBoxの合成ダイヤモンドは天然同様の輝きを、業界でもピカイチの安さで楽しめることが一番の強みと言えます。
デビアス社のLightBox自体にはデビアスというブランドの形容を許していませんが、ホワイト、ブルー、ピンクの合成ダイヤモンドを0.25~1カラット、大胆に使用したジュエリーは、特にミレニアル世代のカジュアルに身に着けられる「自分へのご褒美」に適したラインとして人気を集めているのです。
デビアスの合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違い
ラボで作られたダイヤモンドなのか?それとも鉱山で発掘されたものなのか?天然と合成ダイヤの違いはシンプルで明白ですが、まずデビアスのLightBoxで使われる合成ダイヤモンドには、カット面にLightBoxのロゴがレーザーで復刻されているので、天然と合成の違いは顕微鏡で簡単に判断可能です。(もちろんルースを取り出し、再研磨をしたとしても、このロゴ自体を消すことはできません。)
またGIAによるダイヤモンドの品質基準の要であるカラット、カット、カラー、クラリティーの4C要素も、例えブリリアントカットが施されていても、LightBoxへのグレーディング評価はできません。品質はラボで全て統制可能なので、当たり前と言えば当たり前ですが……。
なおグレーディングレポートに準じたものが欲しいという場合は、鑑定書ではなく、ダイヤモンドが合成であるという鑑定書に代わる鑑別書を発行することは可能です。
なぜデビアスは合成ダイヤモンドブランドを作ったのか?
デビアス社の社外秘として開発が進められてきた合成ダイヤモンド専門ブランドLightBox。創業以来130年以上ナチュラルダイヤモンドのみに焦点を当ててきたデビアス社がゆえ、この寝耳に水のLightBoxの発表に度肝を抜かれたのがジュエリー業界に他なりません。
ここではなぜデビアス社が、あえて禁断の合成ダイヤモンド開発に乗り出したのかを考察してみたいと思います。
天然ダイヤと人工ダイヤの棲み分けを明確にし、新たな顧客発掘が戦略!
ラボで制作されるダイヤモンドにネガティブな反応しか示してこなかったデビアス社ですが、LightBoxというキャッチーなブランド名の合成ダイヤモンドブランドを発表するにはいくつかの理由が考えられます。
まず第一に、天然ダイヤモンドに手が届かない層のハートをガッチリ掴みながら、デビアス社の商品アピールにも繋げていく潜在的可能性。
そして合成ダイヤモンドの需要が高くなっている昨今で、ダイヤモンドカルテルのトップに君臨するデビアス社が合成ダイヤモンドを扱うことで、他ブランドの合成ダイヤモンドメーカーと差別化ができる。(反対に他ブランドもデビアス社が合成ダイヤモンドを扱っているのなら!といった風に、堂々と自社商品開発を担えるようになるとも言えます。)
つまり天然ダイヤがあってのデビアス社という従来の方針を貫きながらも、市場のニーズを上手く取り込むことこそが、LightBoxの一番のマーケティング戦術なのです。
突然のデビアス社のLightBox発表に、あれだけ「永遠の輝き~」とマーケティングをしておきながら、結局は合成ダイヤモンド市場に便乗しているとはけしからん!という声も宝飾業界では多く聞こえています。
しかし天然ダイヤの総合商社が作った、フォーエバーとは言い切れない、ファッショナブルでカジュアルな輝きのダイヤモンド。ダイヤモンドに精通した者からすれば複雑な感情に苛まれますが、天然、合成の差を埋めるには十分の説得力がある商品なのでは?と今後のLightBoxに期待せずにはいられません。
ちなみに件のデビアス社、LightBox発表とほぼ同時期に、教育機関IIDGRを設立し、オンラインまたは通学で4C~研磨技術にダイヤモンド鑑定を教授するコースを始動。世に蔓延する合成ダイヤの真偽に精通した人材を育成するのは素晴らしいですが、その親元がLightBox販売に奮起になっている姿を見ると、なんだか滑稽に見えてしまいますね!
参考URL
https://education.iidgr.com/
価格は?どこで販売されてる?デビアスのLightBox
ここでは気になるデビアス社の合成ダイヤモンドラインLightBoxの価格、そして購入方法に関して調べてみたいと思います。合成ダイヤモンドに寒気がする方もいるかもしれませんが、そこにデビアス社という形容が付くだけで、「あのデビアスの合成ものなら……」と感じる方は少なくないはず!
0.25カラット200ドル~!他社ブランドと比べてもお買い得な値段設定!
まず一言申し上げて……、デビアスの合成ダイヤモンド、他社製品と比べても、大変お得な値段と言えます!LightBoxのホームページの情報によると、
①0.25カラット……200ドル
②0.5カラット……400ドル
③0.75カラット……600ドル
④1カラット……800ドル
という段階で、0.25カラット=200ドルという基準でLightBoxの合成ダイヤモンドの値段が設定されているようです。
この値段についてですが、同じような質とカラットの合成ダイヤと比べても2~3割程度割安なため、消費者にとっては手の届きやすいラインと言えます。
ただし現時点でルースのみの販売は行っていないので、全てデビアス社オリジナルの既成デザイン商品しか購入できません。つまりLightBoxの値段は、合成ダイヤモンドの他に、地銀代や加工代が加味された値段となっています。
2018年11月現在、残念ながらイヤリングとネックレスラインしか揃っていないので、商品選択の幅も小さいですが、今後はリングやブレスレットなどニーズの高い商品も登場してくることでしょう。
ただし1カラットの大粒ファンシーカラー(ブルー、ピンク)ダイヤモンドは合成でありながら、プチプラの優雅な存在感を見せているので、一家に1粒、いや2粒は欲しいところかもしれませんね!
参考画像
https://www.pinterest.jp/pin/630011435347945408/
https://www.pinterest.jp/pin/AUjF_tTK0j0SLqv-XQxwDkGIN1q7opLMxicKC5TjtNsSFKBpoSUt6lI/
参考URL
日本での販売は現段階では不可!小売店での販売はいつから?
さてこのデビアス社のLithtBoxですが、現時点で日本での購入はできません!これだけLightBoxの魅力を語りながら、最後の最後で購入不可という本末転倒な結末になってしまいました。
現在はアメリカ本土のみを対象にしたオンラインショップでLightBoxの商品が購入できる仕組みになっています。(日本から英語で書かれたアメリカのホームページから購入しようとしても、観覧はできても購入自体は不可能なので注意!)
2018年9月から販売開始になったばかりなので、まだ様子を伺いながら、生産量を調節している段階であり、今後はイギリスのオックスフォード、アメリカのポートランドでの生産を強化していき世界進出する予定です。
デビアス社によると、今後2年以内に世界の小売店で販売する予定と謳っているので、それまではじっと我慢……。ただしどうしてもという方は、アメリカ在住のお友達、または個人輸入を利用して購入することはできるので、費用はかさみますが購入自体は不可能ではないことも付け加えておきましょう。
まとめ
天然ダイヤモンドの殿堂であり供給元のデビアス社が、まさかの合成ダイヤモンドを発表のニュースは、宝飾業界に大きな話題を振りまきました。合成ダイヤにネガティブな見解を示してきたデビアス社がゆえ、Lightbox販売には賛否両論がありますが、気軽にゴージャスを纏える手軽さは注目すべき点かもしれませんね!
デビアス社の威信をかけた宝石としての合成ダイヤモンド。既成のデザインのものしか購入できない点、そして現時点でアメリカのみでの販売という点は残念ですが、気になる方は個人輸入などで購入してみてはいかがでしょうか?