Garrard、この単語を聞いたことがある方は、かなりのジュエリー通もしくはロイヤルウエディングファンかもしれません。日本では知名度こそ低いものの、ジュエリーの本場イギリスではハイジュエラーとして名を馳せている、それは大変な伝統と歴史のあるジュエリーメーカーとして知られています。

今回はそんなハイジュエラーGarrardの魅力について、ご紹介したいと思います。

英国最高峰ジュエラーGarrardとは?

まずはGarrardの成り立ちに歴史から、英国伝統のジュエラーが紡ぐハイジュエリーの軌跡を辿ってみたいと思います。

250年以上の歴史を誇るイギリス最古のジュエラーGarrard

イギリスのジュエリーブランドってどんなものがあったっけ?と改めて考えてみると、なかなか思いつきません。グラフやデビアスなどダイヤモンドに強いメーカーこそありますが、周辺のフランス、イタリアに比べると、イギリスは宝飾品業界が活発じゃないのかな?と勘違いしてしまいそうになります。

しかしイギリスは宝飾史を牽引する国家として、ジョージアン~エドワーディアンのジュエリー史にそれぞれの支配者名を記しているように、英国王室と関連の深いジュエラーが多くありました。

今回ご紹介するGarrardもその一つで、1735年にロンドンで創業した、それは歴史の深いイギリス屈指のハイジュエラーです。創業者のGeorge Wickes は、ロココスタイルのシルバー制作で有名になり、多くのパトロンを獲得し、彼の宝飾ビジネスを展開しながら、ハイジュエラーのゴールドスミスとしてロンドン中心部に彼のブランドを構えたのでした。

現在のようなGarrardというブランド名は、彼の死後、Robert Garrerdがブランドを回収したことに起因します。

18世紀のロンドンのゴールドスミスギルドには、Garrard以外にも優秀な職人がいましたが、特にGarrardの名を轟かせるようになったのは、19世紀の半ば、ヴィクトリア女王の戴冠用のティアラと多くのシルバーウェア制作を担うようになってからのことでした。これがGarrardが王室御用達と呼ばれる要因となったことは言うまでもありません。

因みにGarrardは1998年にAsprayと合併し、Aspray&Garrardとして新たな一歩を歩み出しましたが、イギリスが誇る二大宝飾ブランドの統合は軌道にのらず、結局は分社しGarrard社として時代にマッチしたジュエリー作りと、伝統的なハイジュエリーの二本柱で再スタートすることになったのです。

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Garrardとクラウンジュエラー

世界の王室ではそれぞれが所有する多くの宝飾品を管理、修理するいわば王室財産の裏方仕事を担うジュエラーがいます。今回お話しするGarrardは英国王室御用達でありながら、その管理や修理を任された、通称クラウンジュエラーとして知られているのです。

英国王室のティアラが生んだGarrardのサクセスストーリー

Garrardはその創業を遡っても、優れた銀器の制作を担ってきたこともあり、彼らが作る繊細で優美な銀細工は貴族、王室関係者にも一定以上の人気があったようです。

しかしそのGarrardの株を一気に上げたのが、前述のヴィクトリア女王による戴冠用のティアラ制作でした。その後もジョージ5世のクラウン制作(通称Imperial Crown Of India)、メアリー女王、そしてエリザベス女王のティアラ制作もしてきました。

また現在ロンドン塔に展示されているインドのダイヤモンド、コ・イ・ヌールの再研磨もGarrardに任せられており、もはや顧客は気高いスノッブな、伯爵、侯爵に王室メンバーなど顧客が絞られているのがGarrardのブランドスタイルなのです。

ただ時代の流れと共にクラウンジュエラーという形容も廃れ、2007年にはGarrardのクラウンジュエラーとしての地位は実質廃止され、160年以上に及ぶ長いクラウンジュエラーGarrardの歴史は幕を閉じたのでした。ただし現在も英国王室御用達であるRoyal Warrantのタイトルはホールドしています。

ティアラ
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サファイヤとロイヤルウェディング

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溜息しかでてこないその煌めきと高貴なブルー、ケンブリッジ侯爵夫人の左手薬指に輝くサファイヤの婚約指輪にうっとりした方も多いことでしょう。元ダイアナ妃所有の大粒サファイヤは12カラットにもおよび、ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚が決まった際に、弟君のヘンリー王子がウィリアム王子に、ダイアナ妃の遺品として受け継いだサファイヤリングを兄君に譲ったそうです。(厳密にはウィリアム王子が相続した金のカルティエの時計と、ヘンリー王子が相続したサファイヤリングを交換したというのが事実ですが)

婚約指輪はダイヤモンドじゃなきゃ!という風潮を否定するかのような深い藍色のサファイヤリングのデザインは、もちろんGarrardが担当しています。そもそもダイアナ妃はこの婚約指輪をGarrardのカタログ本からチョイスしたもので、本来あるべき一点物のオーダーメイド製品でないことに大きな論争が生まれたこともありました。

現在は世代を超えてキャサリン妃の薬指に、ダイアナ妃が愛したサファイヤリングが輝いている。世代から世代へジュエリーは受け継がれ、そして新たな物語を紡いでいくのがジュエリーの魅力です。

因みにヘンリー王子と結婚したメーガン・マークル夫人の婚約指輪は、残念ながらGarrardのものではなく、イギリスの宝飾ブランドCleve&Companyのもので、ダイアナ妃から受け継いだダイヤモンドをサイドに、イエローダイヤを中心に配置したキュートな王道デザインとなっています。

サムシングブルーのダイアナ妃のサファイヤリング、イエローダイヤのデザイナーリング、甲乙つけがたい婚約指輪ですが、どちらも給与3か月分では届かないプライスなのは確かですね!

現在Garrardではこちらのサファイヤリングと同様の婚約指輪を購入可能ですが、そのデザインを模した大粒サファイヤとダイヤモンドの指輪は巷で大流行中。これらの(パクリ?)サファイヤリングは現在も各種宝飾メーカー等で値段を抑えて購入できるので、気になる方は下記のようなジュエラーで購入してみるのも素敵ですね。

https://www.baunat.com/jp/engeeji-ringu/caratages/entourage-ring-in-white-gold-with-an-oval-sapphire-and-round-diamonds

サファイヤリング
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ガラードの人気デザインに新しい風!伝統のハイジュエラーの今後の行方

宝飾品はお金持ち、とりわけ王侯貴族の専売特許!そんな昔ながらのハイセンス、ハイクオリティーそしてターゲットを絞りに絞ったジュエリーを提供してきたのがGarrardのジュエリーなんです。

しかし20世紀に入ると他社のハイジュエラーの台頭、そしてより経済的に購入出来て、なおかつ流行をしっかり掴んだモダンジュエリーにすっかり水をあけられ、Asprayとの合併も思うようにいかず……。クラウンジュエラーとしての地位も終わりをつげたGarrardが図った次の戦略、それは新進気鋭のあのデザイナーの起用でした。

持つ者を選ぶジュエリーからハイセンスなモダンジュエリーに

ブランドというよりもお金持ち専門のグランドマスターだとかクラフトマン、そんな形容がぴったりな格式高いGarrard。ちょっと大振りな輝石が鎮座した指輪で数百万~数千万円と、軽く中古マンションがいくつか買えてしまうような強気なプライスは、やっぱり元クラウンジュエラーの意地と伝統あってこそ。

しかし時代は流れ王室メンバーのGarrard離れも顕著になり、昨今はちょっと背伸びをして購入できるラインの商品も増えてきました。とはいっても最低でも50~100万円の出費は覚悟しなければなりませんが……。(中古なら10~40万円程度で小ぶりのジュエリーは購入可能です。)

どこかアールヌーヴォーだとかエドワーディアンの雰囲気を醸し出すGarrardのデザインですが、2000年代前半にはミックジャガーの娘であるJade Jaggerをジュエリーデザイナーに迎えるなど、斬新なスタイルのモダンジュエリーを発表しました。

ロックンローラーの令嬢とのコラボには賛否両論があったようですが、現在は落ち着いた古き良き時代の面影を残しながら、時代の流れを汲んだモダンなデザインのジュエリーも少なくありません。

Garrardジャパンは既に撤退していますし、日本でGarrardの高貴な気品に触れるチャンスは少ないですが、是非ロンドンを訪れた際は本場のクラウンジュエラー(元)の魅力に身体を委ねてみてくださいね!

リングもいいけれどGarrardのティアラに世間は大注目!?

さてGarrardと言えば、アルバート大公がヴィクトリア女王に送るサファイヤブローチ制作を担って以来、サムシングブルーのサファイヤにその社運をかけてきました。ロイヤルアッシャーやハリーウィンストンはダイヤモンド、サファイヤと言えばGarrardとその青く輝く宝石に情熱を注いでいったのです。

キャサリン妃のファッションに注目が集まる度に、その存在感溢れるサファイヤリングにも注視してしまう。まさにこれがロイヤルウェディング効果なわけですが、最近はそのクラウンジュエラー(元)の功績と、インスタ映えする頭部のお洒落としてGarrard製のティアラが人気を博しているそう。

もちろん購買層は王室、貴族メンバーではなく、ある程度お金に余裕のあるファッションセンス高めの女性陣ですが、ちょっとしたパーティーやディナーにさりげなく使えるシンプルなHeadbandタイプのものが人気高めということです!

リングにブレス、イヤリングではなく、敢えてティアラで勝負できる女性、そんな一歩踏み出した女性こそが本当のファッションリーダーなのかもしれませんね!

因みにGarrardのティアラを含めたジュエリーは、HP上から値段を確認できない為、気になる方は一度問い合わせをするシステムになっているので、その点は留意してください。(恐怖!)
ヘッドバンド
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まとめ

今回はイギリス屈指の宝飾ブランドGarrardのジュエリーについてお話ししてみました。歴史と伝統の重みに耐えうるような地銀、そして高貴な血をマーケティング対象にしてきた戦略、なんともイギリスらしいジュエラーでした。

Garrardのジュエリーは、購入できる機会こそ少ないですが、最近のデザインは比較的親しみやすい値段のコレクション、そして時代にマッチしたデザインも少なくありません。

自分へのご褒美に、または婚約指輪探しに迷ったら、Garrardのジュエリーを選択肢に加えてみるのも素敵だと思いませんか?Garrardのサファイヤリングにティアラで、最強のインスタ写真を投稿することをオススメいたします。