loader
ルネ・ラリック

オージュ藤沢店

新時代でも色褪せない!必見のミュージアムジュエリー厳選5選! 2020年5月11日

平成も終わってしまいますね。昭和に生まれて、平成を生き、そして令和という3世代を生き抜ける、これって意外と幸運なのかも?と個人的に思っています。

さてそんな新世代に突入(この記事が発表される頃には既に令和ですけど……)するわけですが、今回は独断と偏見による絶対見逃せないミュージアムジュエリーを勝手にランキング!

海外まで足を延ばした際は、ぜひこれらの眼福ジュエリーを鑑賞してみてくださいね。

No1 ルネ・ラリック【トンボの精】

ルネ・ラリック(1860~1945)、皆さんも一度は耳にしたことがある方もいると思います。ジュエリー制作というよりも晩年はガラスを使用したアートワークに転向したため、ガラス工芸分野にも多くの名品を残しています。

多作な彼が残した作品の中で優劣をつけることはいささか馬鹿げていますが、彼の代表作と呼べるにふさわしい作品の一つとして【トンボの精】をご紹介していきたいと思います。

着目ポイントと所蔵美術館

上半身が女性、下半身をトンボで表現したエモーショナルなブローチ。トンボと人間の女性のあいの子と言えるような艶めかしいフォルムをクリソプレーズ、ゴールド、エナメルで表現しています。

ザ・ルネ・ラリックを感じさせるエナメル細工は圧巻の完成度を誇り、ラリックらしい豊かな想像力をふんだんに散りばめた作品と言えるでしょう。女性の横に映える鋭い爪はグリフォンのかぎ爪、頭部にターバンのように装着しているカブトムシのようなものは、エジプトの神スカラベ。

凡人の私にはラリックがどんな空想の末に、この作品を制作したのかは想像もつきませんが、アレコレ語る前にまずは鑑賞してほしい!天才という奇人にかかれば、宝飾芸術がいかに無限大の可能性を持っているのか証明できる、そんな作品と言えるでしょうか。

こちらの作品は彼のパトロンであったアルメニア人実業家グルベンキアンがリスボンに設立したグルベンキアン美術館で鑑賞可能です。

No2 ファベルジェ【パンジー】

ファベルジェ、ロシアの空港に行くと必ず免税品店で卵型のアクセサリーや工芸品を見かけます。ロシアのロマノフ家とは切っても切り離せない工房であり、いとも豪華絢爛なイースター・エッグを多く制作してきました。

勿論ファベルジェは単なる卵作家ではなく、本格的なエナメルジュエリーから文房具、写真立てに時計など、それはありとあらゆる宝飾品を紡いでいくのです。

今回ご紹介するのはあえてイースター・エッグではありません。ファベルジェ好き、またはアンティーク通でも玄人に愛される、それこそがこちらの一輪挿しパンジーです。

着目ポイントと所蔵美術館

ファベルジェはいわゆる大きな工房であり、カール・ファベルジェが総指揮をとりながら、優秀なクラフトマンが彼の下で作品を制作していきました。こちらの一輪挿しは、花瓶、水、そして茎から伸びる葉とパンジーの花びら一枚一枚、その全てが宝石とゴールドでできています。

花瓶と水は水晶、茎はイエローゴールド、葉は翡翠、そして花びらはエナメルとダイヤモンド……。もはや本物のパンジーの一輪挿しにしか見えないリアルさ、それこそがファベルジェ工房のなせる業。

こちらの作品はHenrik Emanuel Wigström による作品で、彼はパンジー以外にもスズラン、クランベリーなどの一輪挿しシリーズを残し、世界中の美術品マーケットで目が飛び出る価格で取引されています。

パンジーの作品はサンクトペテルブルグにあるファベルジェ美術館で鑑賞可能なので、最近眼精疲労がひどいなとお悩みの方は、ぜひイースター・エッグと共に鑑賞してみてください。(逆に目が疲れるかもしれませんが。)

No3 作者不詳【カニングジュエル】

個人的に私の一押しの宝飾作品がこちらカニングジュエルです。カンニングではなくてカニングです。

作者不詳ながらも宝飾史に名を残すのには十分な説得力と存在感を示すカニングジュエル、この作品はルネサンスの名品中の名品として語り継がれてきました。

着目ポイントと所蔵美術館

カニングジュエルはいびつなパール、つまるところバロックパールを用いたペンダントヘッドです。

カニングジュエルのカニングとはそのモデルとなったカニング卿に由来しており、上半身をバロックパール、頭と腕、マーマンに見立てた尾はゴールドにエナメル彩色を施し、小さいながらも威風堂々とした迫力に満ちた作品。

サーベルを振り上げるひげを蓄えたカニング卿をまさかの人魚として表現し、テーブルカットのダイヤモンド、インドで研磨されたルビーをゴロリとセッティングしたクラシカルな要素が散りばめられた名品です。

なおこちらの作品は1560~1570年頃にイタリア、または南ドイツで制作されたルネサンスを代表するジュエリーと考えられていましたが、現在はルネサンスリバイバルの傑作として1850~1860年頃に制作されたのだろうと、所蔵するビクトリア&アルバート美術館は発表しています。

No4 ベンヴェヌート・チェリーニ【サリエラ】

宝飾史を紐解くと、きらびやかな宝飾作品は紀元前6世紀の古代エジプトまで遡ることができます。しかし最もその宝飾芸術としての栄華を誇ったのは、前項でも少し触れましたがルネサンスではないでしょうか?

パトロンが増えれば増えるほど芸術家にとっての制作環境は豊かになるわけで、今回ご紹介するチェリーニはそんなルネサンス期に大活躍を収めたジュエラーの一人です。

着目ポイントと所蔵美術館

高名な芸術家はしばし血の気が盛んな者も多く、カラバッジョのように殺人を犯し警察に追われながらあちこちを点々とするような輩も少なくありませんでした。チェリーニに関しても殺人は犯さないまでも、それなりにやんちゃな性格が幸いしあちらこちらの牢獄に投獄されるなど散々だったようですね。

しかしその舞台を工房に変えてみれば彼が紡ぐ作品は、さすが当時のフランス国王フランソワ1世をも唸らすだけある、技量の持ち主でした。

フランソワ1世のスパイス入れとして制作されたサリエラは、ルネサンスを象徴する豪奢さをゴールド、エナメルのみを用いて制作。立体的なケレスとネプチューン像はまるで古代ローマの彫像作品を思わせる立体感で表現されています。

1530~1540年頃に制作されたと考えられるこの作品は、2004年頃に盗難にあうという災難にあいましたが、2006年森林の中で発見され今は平穏無事にウィーン美術史美術館に所蔵されています。

宝飾作品のモナ・リザと呼ばれるサリエラ、現在の価値に直すと時価100億円に迫る価値があるそうです……。

No5 作者不詳【アルフレッドジュエル】

世の中には一体何のために作られたのか?その用途が分からない謎めく芸術作品も残されています。解けそうで解けない、そんな謎解きゲームみたいな要素が点在しているからこそ、ジュエリーを含んだ芸術作品は面白いのですが、やっぱり不可思議……。

宝飾史における謎はと言えばエトルリア人による粒金技術の加工、そしてここでご紹介するアルフレッドジュエルだと思っていますが、果たしてアルフレッドとは何者なのでしょう?

着目ポイントと所蔵美術館

アルフレッドジュエルが作られたのは9世紀後半ということで、今から1000年以上も昔のイギリス。アングロサクソン人の文化を如実に表しているのが、現在にまで伝わる多くのブローチ作品です。

1693年頃に発見されたアルフレッドジュエリは、イギリスのアルフレッド大王をエナメルで描き水晶でカバー、先端をドラゴンまたは動物の頭部で表し、まるで杖の先端部を構成する持ち手のような形状をしています。裏面には生命の樹を思わせるエングレイビングが施され、側面には「AELFRED MEC HEHT GEWYRCAN」と書かれており、訳すと「アルフレッドの命により制作された」となるそうな。

全く持ってその用途が謎に包まれているアルフレッドジュエリ、想像力を掻き立てるのにはちょうどいいジュエリーと言えます。なお現在は書物を読む際に使われた一種のポインタースティック(指し棒)の先端だという説が有力ですが、いまだに明確な答えというものはわかっていません。

アングロサクソンという時代を代表するミステリアスなジュエリー、アルフレッドジュエルはオックスフォードにあるアッシュモリアン美術館に展示されています。

まとめ

リング、ネックレス、ピアスにブローチ、そんな当たり前に身に着けているジュエリーも、紐解いてみれば今回ご紹介したような作品が礎になっているのです。現代のジュエリーは大量生産をする技術に長けていても、決して過去の宝飾作品を技術面で超えることはできないと言われていますが、確かにこれらの名作を見てみるとその通りだと思えてしまいますね。

世界中のあちらこちらの美術館、博物館に直接足を向けることは難しいですが、ぜひ現地に訪れた際はこれらの作品をその目で鑑賞してみてください。また多くのミュージアムではオンラインで所蔵作品の詳細を検索できるので、ヴァーチャルミュージアムとしてその作品を楽しむ、そんな鑑賞方法があるということもお忘れなく!

アイキャッチ画像引用元

早崎大

早崎大

悠久の輝きとロマンが詰まった人類の至宝。ジュエリーの煌きに魅了された三十路ライター。三度の飯よりゴールドの輝きが大好きな男、スペインの田舎街からジュエリーコラムをお届けします。はぁ、アンティークジュエリー買いたいな……

0 # # # # # # #
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。